画筆に用いられる原毛の種類と特徴 |
豚 | 油彩筆の中で代表的な毛。硬毛で弾力性、復元性に優れ、毛先は枝毛になっています。粘りのある絵具をたっぷぴと含み、思い通りにさばくことができます。 | |
たぬき | 軟毛でしなやかな毛質。絵具の含み、水切れがよい。油彩画、日本画の筆に使われています。 | |
馬 | おもに胴、足、尾の毛が使われ、それぞれ毛質がちがいます。ほぼ軟毛で、穂先のまとまり、絵具の含みがよい。油彩画、水彩画、日本画の筆に使われています。 | |
セーブル(いたち・てん) | 洋画筆では、いたちやてんの毛の筆をセーブルと呼び、特に北方産の長く、弾力の優れたものをコリンスキーと呼んでいます。しなやかで弾力性に優れ、絵具の含みもよい。油彩画、テンペラ画、日本画用の筆に使われています。 | |
りす | 細く、しなやかな軟毛で、セーブルより絵具の含みがよい。淡彩やテンペラ、ガッシュ用の筆に適しています。 | |
山羊 | 絵具の含みに優れ、まとまりもよい軟毛質の毛。日本画、水彩画、デザイン画、書道筆に広く使われています。 | |
猫 | 玉毛(たまげ)と呼び、背筋の毛です。独特の軟らかく細い毛質で、小さな文字や繊細な絵、細かい修正に使われています。 | |
ナイロン | 天然毛の入手が困難になってきている現在、科学繊維を使ったいろいろの特長を持った筆ができてきています。油彩画、アクリル画、テンペラ画、デザイン画などに使われています。 |
洋画筆の穂の基本的形態と名称
1.ラウンド(丸型) 2.ブライト(平型短毛) 3.フラット(平型) 4.フィルバート(平型円頭)
5.スラントまたはアンギュラー(平型斜先) 5.ファン(扇型)
ラウンド | 穂先の形状に方向性がないので、いきいきとした描画ができます。線画や細部の描きこみには欠かせない筆です。 |
ブライト | 穂丈が短いため、力強いタッチが出しやすく、ゴツゴツした質感などを表現するのに適しています。 |
フラット | 平筆の基本型で、面塗や線描きに便利です。平らな面は塗りこみ、エッジを利用して線描きと応用がきく筆です。 |
フィルバート | フラット筆を使い込んだ状態と同じ形状に作られており、下描きから仕上げまで幅広く利用できる筆です。 |
スラントまたはアンギュラー | 穂先が斜めの形状をしており、フラットな面で描画をし、エッジを利用して線引きと直線の多い描画に適しています。 |
ファン | 穂先を扇型にすることで絵具の含みを極度に少なくして、グラッシュ画法などに適するように作られています。 |
筆の選び方
作品のサイズにもよりますが、はじめは豚毛製の平筆で16号から8号くらいの中太の筆を4〜5本そろえましょう。フィルバート型やロングフィルバート型が初心者には使いやすいようです。豚毛の丸筆は平筆よりやや細い、12号から6号くらいのものが3〜4本あると便利です。軟毛筆は最高級のコリンスキーから、馬やマングース、合成毛の混毛筆などいろいろありますが、予算が許す限りよいものを選びたいものです。軟毛の丸筆を太・中・細と2〜3本そろえて、毛の性質による使い心地を試してみるとよいでしょう。
目的によって筆を選ぶことも大切です。筆のタッチを荒々しく生かしたい、強く盛り上げたいときは豚毛のような硬い毛の筆を使い、絵具をやわらかく溶き、筆目を消してなでるように描きたい時は軟毛の筆がよいでしょう。
筆のお手入れ方法
新聞紙やぼろ布で、筆についた余分な絵具を十分に拭き取ります。筆洗器に筆洗液を入れて筆を洗います。毛の根元の絵具も布でよく拭きましょう。次に、ぬるま湯と石けんを使ってよく洗います。手のひらの上に筆の先をこすり付けるようにしながら、石けんを泡立て、絵具の色が取れるまでよく洗ったら、水分を拭いて、風通しの良い所で乾かします。
※使用後の筆の手入れ使用する絵具の種類によって筆の洗浄方法は異なります。
【油絵具の場合】
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筆洗油で絵具を落とした後、ぬるま湯で丁寧に洗い流して下さい。
汚れが酷いときは石鹸で洗浄後、リンスでコーティングするようにして下さい。 リンス入りの洗浄剤を利用しても良いです。 |
【アクリル絵具の場合】
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アクリル絵具使用後は、速やかに水、またはぬるま湯で洗浄してください。
アクリル絵具は一度固まると、二度と溶かすことが出来ませんので、 筆に絵具が残って固まると、筆は使用できなくなります。 |
【その他の絵具の場合】
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使用後は、水またはぬるま湯で丁寧に洗浄してください。
石鹸を使用すると毛に必要な脂分がなくなってしまいますので、使用はお控えください。 見た目は綺麗に洗えているようでも、筆の内側や根元に絵具が残っている 場合がありますので、注意してください。 洗浄後の筆は穂先を整え、陰干しすることをお勧めします。 |
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