◇掛軸の取扱い(鑑賞・かけ方)
掛軸は、中国より伝わって以来多くの表具師によって研究伝承され、日本の生活様式によく調和し、書画の鑑賞にも保存にも適した日本独特の美術工芸品といえます。掛軸は気温・湿度に敏感ですので、取り扱いにそれだけ配慮が必要です。●鑑賞への心配り
最初の1ヶ月間は晴れの日を選んで、3日に1日の割合で掛け、2日は休ませることを繰り返して下さい。その後掛ける時は、3日以上は続けて掛けないように、特に一週間以上の掛け放しは極力避けて下さい。空調が強く乾き過ぎたり湿度の高い室内、又雨や風の強い日、日光のあたる場所は、ソリやシミの原因となりますので避けて下さい。
掛軸の内容は来客により、また四季の空気に合わせて画題を選んで下さい。
●掛軸のかけ方 | ●各部の名称 |
|
◇掛軸の取扱い(しまい方・保存)
●掛軸のしまい方
●掛け物の保存 しまいっ放なしにしておくと、カビてしまうことがあります。秋の晴天の時を選んで、時々虫干しをします。軸箱もかるく陰干しをして、乾いた布でふいて軸を収納します。 | ●軸緒の巻き方と軸箱への収納 |
◇使用に合わせた掛軸をお備え下さい
掛軸名 | |
結婚・結納 | 高砂、松竹梅鶴亀、鴛鴦、夫婦昇鯉 |
出産 | 四君子、四季花、干支 |
節句 | 立雛、武者、鐘馗、兜、鯉の瀧昇り |
開店・開業 | 七福神、赤富士、二福神 |
新築・落成 | 富峰、赤富士、山水、四季花鳥 |
御祝 | 山水、富峰 |
贈答 | 山水、季節に合った花鳥 |
仏事・法要・ お彼岸・お盆 | 各宗派名号、十三佛、三尊仏、観音 |
長寿 | 高砂、松竹梅鶴亀、六瓢、墨蹟 |
選挙 | 大昇鯉 |
お茶会 | 書、墨蹟、俳画 |
正月 | 旭日、松竹梅鶴亀、天照皇大神、天神様 |
◇使用上の注意
- 掛軸は長期間掛け続けますと、掛軸上部で軸ひもを支える金具が抜ける恐れがありますので、定期的に掛け替えて下さい。
- 掛軸は、年に二回程度、春秋の晴れた日に虫干しをし、専用の防虫香を入れ替え、湿気の少ない場所に保管して下さい。
- 収納の際、風帯は左右に折り重ねて巻いて、耳折れの防止の為、添付の厚紙を軸先にはさんで下さい。
…知らないうちに家宝を駄目にしていませんか?…
表装のしみ・よごれ・おれ・やぶれ・未表装のものは、早めに修理しないと美術品の価値をうしないます。
是非ご相談下さい | ||
・表装のしみ、よごれ(絵画・書) 早めに洗濯すればきれいになる場合もありますが時間が経てばきれいにはなりません。 ・表装のおれたもの、やぶれたもの そのまま使用すると、再生できなくなります。 | ・表装していないもの 虫がついたり、よごれがつきやすく、永く置いておくと色むらがでたり、変質する恐れがあります。 |
戸棚・押入れのすみに家宝が… | ||
どこの家にも、先祖や親が求められ、大事にされている掛軸や屏風があったりします。残念なことに時代が経つにつれ、虫食いや表具傷みが目立ち、飾るに飾られず、ただしまってあるだけというのが現状です。中には、秀れた芸術品もあります。この際、先祖のためにも表具をやり直して再利用されてみては如何でしょう |
表具受けの注意事項 |
- 絵・書等をよく見て、表具が可能かどうか見分けます。
掛軸に仕立てるのが不可能な物
- 洋紙(カレンダ等)、ただし和紙の墨跡カレンダは可能です。
- 厚塗りの絵画(岩絵具等を使用したもの)。
- 川俣絹等の極薄の絵絹に描いた書画の仕立替え。
以上の作品は、掛軸に仕立てても見ばえのする作品にならないばかりか、作品を破損する恐れがありますので、出来れば額装等にして下さい。
- 色、墨、朱肉が流れたり散ったり、あるいは絵具が剥落する場合がありますのでご指摘ください。
- サインペン、マジックインク、筆ペン、墨汁等。
- 朱肉がスタンプインクの時。
- 絵具、墨に適当適量のニカワが使用されていない時。(水分を少し付け、書画の一部を少しこすってみて、指先に色が付くようであれば、散る可能性が大です。)
- 本紙の痛みが激しく、著しくもろくなって、折れたり裂けたりしている物。特に、絹本マクリの古い物の中には、縮み作業中に裂けてしまう事もあります。
- 古い彩色画(仕立替えも含む)の場合にも、ニカワが風化して胡粉等の絵具がはがれたり、流れたりする場合があります。
- 本紙裏打ちからヒート紙で表装された物については、仕立替えを始めてみなければ、剥しが出来るかどうか見極めが非常に難しく、作業途中で返却する場合がありますのでご容赦下さい。
- しみぬきは、本紙のよごれ状態によって取れ方が異なります。特に絹本は取れ方が悪くなります。
以上のような作品は、注意しきれない不可抗力のトラブルもあります。この様な場合、保証の責は負いかねますのでご了承下さい。
- 保証について
表装のご依頼商品の取扱いについては十分に注意いたしますが、万一紛失、破損等の発生の場合は、ご依頼金額の3倍以内の保証とさせていただきます。
◇掛軸のできるまで (本仕立=3枚裏表装)
1. 写真撮り お預りした作品を確認のため、写真撮りします。 | 2. 色合わせ 作品に最も適した裂地を選びます。卓越したセンスが必要。 | ||
3. ちぢみ 本紙・裂地等を水につけ、のびちぢみを一定にします。 4 .肌裏打ち 職人芸の見せ所。本紙、裂地等に和紙をあざやかに裏打ちをします。 | |||
5. 切り継ぎ 手際よく各部分を張り合わせていきます。 | 6. 中裏打ち 7. 総裏打ち 二枚目の和紙と、三枚目の特殊な裏打紙を裏打ちします。 | ||
8. 仕上げ 軸棒、半月、風帯、釚をつけます。作品に愛情を持って、丹念に仕上げます。 | 9. 調整 掛かり具合等を見て最終チェックをします。 10. 完成 伝票と最初に撮った写真とを照合します。 |
◇掛軸の作り方の種類
本仕立表装(3枚裏)と略式機械仕立表装では、同じように見えて中身がちがいます。 本仕立表装は、季節など温度・湿度の変化に強く、長期保存が必要な大切な美術品にお勧めします。
本仕立 (3枚裏) 肌裏打紙 | |
略式機械仕立 (2枚裏) 肌裏打紙 |
額縁 |
水彩・デッサン額
- 大額製・水彩額
- 同志舎製・水彩額
- ラーソンジュール製・水彩額
- アルナ製・水彩額
- オリジン・大仙【MDF・樹脂製】
- アルミ製・デッサン額
-
形状(正方形・長方形・厚型等
特寸対応額) -
マット付き額一覧
-
サイズから選ぶ
-
額装用マット(テープ等)
- アクリル板・黃袋
油絵・日本画額
その他の用途の額
- 和額・色紙額・短冊額
- ハガキ用額
- フレーム付き作家作品
- インテリア/ハンドメイド
-
OAサイズ(コピー用紙サイズ)対応額・
画用紙額 - クリアファイル専用額
- ポスターフレーム・ポスター額
- 書道額・水墨画・刻字額縁
- 押し花/変形額縁
- 写真額・写真立て・画用紙
- 賞状額
- 叙勲・褒賞額
- ユニフォーム額・バッドケース
- アートボックス・立体型・厚箱額
- シャドーボックス
- 民芸色紙掛・短冊掛・はがき掛・仮巻き・芳名帳
- 手ぬぐい額
- サイズから選ぶ(写真額)
-
さらにその他の用途一覧
額用品・イーゼル etc
画材・営業日カレンダー
- スケッチブック・ロール紙類
- パネル
- パステル用品・画材
- キャンバス用品・関連品・パネル・木枠等・油絵用画材
- ロールキャンバス
-
油絵具/水彩絵具/色鉛筆/日本画/
営業日カレンダー -
鉛筆・クレヨン・デザイン用品など
-
その他画材
-
お役立ち情報
- 絵画の保存・補修について
- 額用ガラスとアクリルの比較や違いについて
- 額縁の選び方
- 画筆の種類と特徴
- 絵画寸法表(油絵・日本画)
- よくある質問(Q&A)
- 掛け軸のかけ方・しまい方
- 絵てがみの描き方
- 油絵具 混色チャート
- 水彩紙・画材紙の特徴
- 額縁の選び方
- 額縁を100倍楽しむ方法
- 油絵具Q&A
- 掛軸の取り扱い(鑑賞・かけ方)
- 版画用紙について
- キャンバスの張り方 パネル水貼りの仕方 平張りの仕方
- ペンチングナイフの選び方・使い方
- 油絵具ホワイト
- やさしい水彩技法
- 絵画教室のお知らせ モデルデッサン会のお知らせ
- 美術品Q&A
- 初心者向け画材Q&A
- ヌーベル カレーパステルカラーチャート
- 和紙の紹介
- 伊研の画用木炭と木炭デッサン
- パステル基礎知識
- 油絵用筆の上手な洗い方
- 画筆の基礎知識
- クサカベ絵具工場見学へのご案内
- 技法
- 油絵の技法と描画のプロセス
- アクリル板の種類と特徴
- 拓本の上手なとり方
- クレサンキャンバス製造工程
- 書道サイズ・色紙サイズ・水墨画サイズ
- 各種寸法表
- 純銀粘土作り方見本
- 版画について
- よくあるご質問
- 岩絵具・水干・水飛胡粉の溶き方・膠液の作り方
- 勲章・褒章の種類
- 額の品質基準について
- 額に関する知識
その他
店舗情報
営業日カレンダー
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 |
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
土曜日と祝日は営業時間が16時までになります。