【奉書丈長 ほうしょたけなが】
版画や水墨画などに適しています。また、ドーサ引きによる分子の細かい岩絵具の薄塗りにもおすすめします。顔彩、水干、チューブ絵具を使用する場合は、よい発色が得られます。
約 51×74cm ロール5枚巻きと平判
【特製生漉 きずき 紙】
楮(こうぞ)を原料にした代表的な日本画用紙です。とくに岩絵具の厚塗りに適しています。
約 62×93cm ロール5枚巻きと平判
【美濃紙 みのがみ】
楮(こうぞ)やパルプを原料とした一般的な日本画用紙です。岩絵具の薄塗り、水干、チューブ絵具、顔彩に適しています。念紙や裏打ちにも使用します。薄美濃紙、中美濃紙、厚美濃紙のなかから用途に応じてお選びください。
薄美濃紙 約62×92cm ロール5枚巻きと平判
中美濃紙 約62×97cm ロール5枚巻きと平判
厚美濃紙 約63×95cm ロール5枚巻きと平判
【白雲紙 はくうんし】
色が白く雲のように見えるため、この名があります。主に和装図案用紙として用いられました。日本画用紙としては、岩絵具の薄塗り、水干、チューブ絵具、顔彩に適しています。
約 76×143cm ロール2枚巻きと平判
【大唐紙 だいとうし】
白雲紙より廉価で、その代用品として使用。水干、チューブ絵具、顔彩に適しています。
約 75×140cm ロール5枚巻きと平判
【準白雲紙 じゅんはくうんし】
紙の肌・質は白雲紙とほぼ同じですが、パルプの混合量が白雲紙よりやや多いのが特徴。岩絵具の薄塗り、水干、チューブ絵具、顔彩に適しています。
約 79×140cm ロール5枚巻きと平判
【鳥の子紙 とりのこし】
雁皮(がんぴ)、三椏(みつまた)、パルプを原料とし、色は薄黄色と白の二種類があります。上物は日本画用としてのほか、一部木版印刷などに用いられます。
約 96×188cm ロール2枚巻き(4号鳥の子)と平判
寸法 3尺×6尺、4尺×6尺、5尺×7尺、6尺×8尺、7尺×9尺
厚さ・紙質 特号、1号、2号、3号、4号
【麻紙 まし】
麻の繊維を主原料として、紙の地肌が荒く、紙質は弾力性があり、絵具のつきがよいのが特長。とくに岩絵具の厚塗りやサイズの大きな作品に適しています。白麻紙(しろまし)、雲肌麻紙、布目麻紙、自然色麻紙等があります。
約 96×188cm ロール2枚巻き(4号鳥の子)と平判
寸法 3尺×6尺、4尺×6尺、5尺×7尺、6尺×8尺、7尺×9尺
【準雲肌麻紙 じゅんくもはだまし】
紙質は厚く肌も麻紙に似ています。安価なのが魅力です。
約 120×200cm ロール2枚巻きと平判
【吉祥麻紙】
吉祥が長年の経験をもとに開発した、独自の機械漉の和紙です。麻の繊維を主原料とし、岩絵具厚塗りにも充分耐えます。とくに安価で大作用におすすめします。紙質は厚く肌も雲肌麻紙に似ています。
ドーサ引紙
1. 作品の制作にかかる前にドーサの効き具合を調べる。
2. 岩絵具にて製作の場合は完全ドーサでなければならない。
3. 表装、裏打、仕上の場合も完全ドーサでなければならない。
4. 完全ドーサとは紙の滲みを完全に止める事で裏3回、表2回、計5回程度ドーサを引く。
※ 吉祥ドーサ引紙は、工場生産のためドーサは、1回引になっております。
【楮の紙】
楮は、クワ科の落葉低木で、毎年株から生える枝を切り取り、皮を剥いで原料とします。地方によってはカゴ、カゾ、カジ、カミクサとよびます。栽培しやすく、繊維も太くて強く、麻についで長く、約10mm、幅0.27mmあります。強度を要求する和紙の中心的な原料で、栃木(那須楮)、高知(土佐楮)が主な産地ですが、最近各産地でも栽培が増えています。しかし、タイ国等の外国産が、多量に輸入されています。
烏山和紙の程村紙
程村紙は純楮(那須楮)製で厚紙の至宝といわれています。半溜め漉きで漉かれ、古くは烏山藩藩札、重要書類等に、現在は版画用、賞状用として用いられています。名称の由来は烏山下境程村の地が厚紙の産地だったところからとったもの。程村紙の抄紙技術は、昭和45年に、「烏山町無形文化財」に、また昭和五二年には国の「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」に選択されました。越前の程村紙は、三椏を原料とした鳥の子風の紙で、第一次世界大戦の講和条約の用紙に選ばれました。
小川和紙の細川紙
細川紙の起源については、紀伊高野山麓の紙漉場の細川村で漉かれていた細川奉書が武州の男衾、比企、秩父の三郡に移されて発達したものと思われます。当地に「ぴっかり千両」の語がありますが、晴天になれば値千両の紙が乾燥できるという意味で、当時の盛況の様がしのばれます。細川紙は国の無形文化財に指定されました。薄口は掛軸の裏打ち、小紋の型紙原紙、古文書の修復用、厚口は版画、書簡箋等に用いられます。
越後門出和紙のふわた紙
ふわた紙(1尺1寸×8寸3分)の障子紙として漉かれておりました。ふわた紙の名前の由来はわかりません。不端、布端の文字が見られます。良寛研究社である相場御風の著書には「良寛がこよなく愛したふわた紙」と紹介されています。
美濃和紙の本美濃
「美濃和紙」の優れた技術と、古来そのままの伝統技法により生産されている美濃地方特産の和紙で、那須楮100%で作られた未晒わしの風合は、他に類をみないものです。楮紙では最高級品といわれます。主な用途は和帳、装丁、書画、障子紙、写経等の、なかでも最高級の用途に使用されています。また、古来からのその製法は昭和44年に「本美濃紙」として国の重要無形文化財に指定されました。また、薄判として薄美濃紙があり、古文書、画等文化財の修復に必須の紙で、貴重な古文書、内外諸国の美術館、博物館で、多く使用されています。
提灯紙
楮の白皮100%を苛性ソーダで煮熟する上質のものは、主として輸出用にし、那須楮をソーダ灰煮熟する厚いものは、国内の祭礼用に加工されます。岐阜提灯は昔から有名ですが、美濃産の提灯紙は技術的にも最高の製品です。当初は薄紙を張って内部が透視できるものでしたが、これに山水、草木、花鳥などを描いたものが現れ需要がのび、明治期には外国に輸出されるようになりました。福島、岐阜、愛知が提灯のわが国三大主産地となっていました。かつては美濃の典具帖紙も盛んに用いられました。
山中和紙の山中膏薬紙
山中和紙は、岐阜県吉城郡河合村の角川(つのかわ)、有家(うけ)、中沢上(なかぞえ)、稲越(ないごえ)で漉かれていました。豪雪地帯なので、製紙に雪晒の工程を行なうなどの特色があります。山中の膏薬紙は強靭であるとともに薬がにじみ出てこないことで定評がありました。通常は地元産の楮のほかにマニラ麻を混入しています。現在も冬期のみ山中和紙として漉かれています。
越前和紙の生漉奉書
この紙の制作者八代目岩野市兵衛は昭和43年に人間国宝に指定されました。平成12年人間国宝に指定された長男九代目市兵衛氏が技術を継承しています。奉書は他の地にも産しますが、岩野氏の漉く奉書は、手漉き和紙の伝統の技法を守り続け、一切の薬品を使用せず、かたくなに機械を使わず、終始手によって漉き上げるものです。これは採算とか、利潤の追求よりも第一によい紙を守り続けることに徹しているということです。その強靭さは、浮世絵、版画用をはじめ刀剣の拭紙用、諸儀式用等に広く愛好者は絶えません。版画印刷の場合にも楮の繊維の不純物(澱粉質)を徹底的に洗い落とすので300回の印刷にも堪え、紙が伸縮しない特色は他にその比を見ません。先代の市兵衛が漉いた紙はピカソも愛用しました。
吉野和紙の宇陀紙 木灰煮
表装用の裏打紙として、紙が伸縮しないし、そりができないので、古くから重要な役割を果たしているのがこの紙です。木灰で火を強くもなく弱くもない煮熟をしますが、これを方言で「まったり」といいます。昔ながらの技法を守るのはただ1軒となっています。この技法では灰汁を取るのもその都度口でなめて濃度を確かめてから釜で炊き上げます。機械で叩いた後にさらに手打ちをするのも楮の特質を生み出すために必要とされ、でき上がった紙は、ソーダ灰煮と異なって非常にふんわりとした感じとなります。
吉野和紙の吉野紙
楮をソーダ灰で煮て漉上げる吉野紙は、他の紙漉き作業では行われない濁り出しという作業を行います。濁り出し作業とは煮熟した楮皮を打解した後、清水でもう一度洗い出し不純物を全部除き楮皮の純繊維にします。これにトロロアオイのノリを加えて漉き、圧搾せずに板に貼りつけて天日で乾燥します。繊維がふんわりとした状態で乾くため漆を濾過するのにいちばん適している紙です。また不純物を全部取り除くので薄くても強靭な紙質となります。
吉野和紙の三栖紙
楮をソーダ灰で煮て、晴天を見てから、紙を漉きます。ネリにはノリウツギを使用し、湿れ紙の圧搾を行わず、簀伏(すぶ)せといって、漉いた紙をすぐ板に張りつけて天日で干し上げる特徴のある漉き方をします。これは薄くてふんわりとした風合の紙にするためで、したがって漉舟の横に干板を積み重ねておきます。表装用に用いられ、これを中裏に使うことによって掛軸をやわらかく仕上げることができます。
黒谷和紙の生抄き大判
生抄きの紙とは、楮100%の紙のことで、主として地元産(綾部市)の楮を主原料としています。表皮をけずり白皮になった楮を木灰のあく汁またはソーダ灰で煮熟します。後、水槽であく汁を抜き水洗いをします。強度な薬品は使用せず紙に仕上げることにより、何百年っもの歳月にたえられる和紙となるのです。生抄き大判は用途が非常に多くあり、美しく強度を要求される紙なので、薄紙は2匁(7グラム程)から15匁(57グラム程)位の厚紙まであるので、流し漉きから溜め漉きまでそれぞれの漉法により漉上げられます。生抄きの紙は黒谷の伝統的な工法を大事に守り続けています。
丹後和紙の漆濾し紙
丹後は江戸時代から昭和初期にわたり紙漉き村として栄え、最盛期には200戸余が従事していました。今ではただ1軒となりましたが古来の技法を守り純粋の和紙づくりを続けています。原料はすべて地元大江山周辺に栽培される良質楮を使用し紙質の保持に努めています。生産される紙のなかで漆濾し紙は、打解後の紙素を長時間かけて水洗し漉き上げる極薄紙です。他に染色をしたものがちぎり絵、ラッピング等に広く愛用されています。
神札(しんさつ)紙
伊勢神宮の参拝者の旅館の世話や案内をしていた伊勢市居住の御師(おし)たちが、明治にこの役職が廃止され職を失い、御札製造のために土佐や美濃から紙漉きを招いて製紙を始めたのが明治5年ころです。明治32年に三社が統合して、現在の大豊和紙工業(株)に引き継がれ、伊勢神宮ほか多くの神社の用いる紙を漉いています。
石州和紙の石州半紙 稀
石州産の楮を使用し、甘皮部分を残した白皮をソーダ灰を加えて煮熟し、ビーター使用または手打ちの方法で叩解し、伝統的な石州流の流し漉きにより一枚一枚漉き上げ、干板による天日乾燥または鉄板乾燥ででき上がります。揉んだり折ったりしても、洋紙などとは比較にならないほど丈夫で長期保存に耐える和紙です。昭和44年に国の重要無形文化財に、平成元年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定されています。
大洲和紙の宇和泉貨紙
1600年代から独特の方法で漉かれた楮紙。2枚の紙を重ね合わせて1枚に仕上げるもので、1枚目を竹簀で漉き、2枚目の萱簀で漉いた紙をすばやく重ねて乾燥させて仕上げます。二双紙と違うのは、表裏が簀肌にあたっているということです。繊維の絡み合いの違う2枚が1枚になっているので紙の強さが倍以上になり、強靭な紙として、版画、型紙、紙布などの他、かぶせ箱の蝶番として金具の代わりに使われました。現在、愛媛県東宇和郡野村町で菊地孝さんが伝統を守って漉いています。
土佐和紙の典具帖紙
典具帖紙は中世に美濃で漉きだされた紙です。蜀山人が、「美濃の郡上で漉かれた最上級の『天』印の符牒つきの紙から由来している」と言いましたが、はっきりしません。この技が土佐に移りタイプライター原紙として大量に輸出され、高知県の貿易に貢献しました。製法は、流し漉き法を極限まで洗練していった技法です。良質の楮(赤楮(あかそ)とよぶ)を、石灰にソーダ灰を少量加えた混合液で煮熟し、叩解後に水中で紙料を攪拌してさらに不純物を流し去る小振りを行ない、トロロアオイのネリを十分にきかせて抄造します。抄造には高級な紗張りの竹簀と漆塗りの桁を用い、男の漉き手で力強く漉きます。ごく薄い紙なので瞬時に漉き終りますが、簀桁をゆすると前後左右の桁の橋端から内側に水が美しい弧をえがいて湧きたち散るさまは、水芸を眺めているような美しさがあります。この時、簀上の紙料液は二つの円をえがいて流れ、繊維がからみ合います。別名「かげろうの羽」と称されるほど世界一薄い紙です。典具帖の特色は、�’�く柔らかく弾力性がある、�∨犹い紡僂─▲織ぅ廚粒荵�の衝撃にも耐える強靭性がある、��紙の各部分が等質であり、縦の強度に比し横の強度が70%以上で(通常は50%程度)、チリが絶無であることがあげられます。紙の選別には、かつて熟練した職人が漆塗りの黒い板の上で一枚ずつ四段階に区分しました。平成13年6月浜田幸雄氏は国の重要無形文化財に指定されました。
八女和紙の灯籠紙
熊本県山鹿市の山鹿灯籠用の和紙です。山鹿灯籠祭りに使われている灯籠は紙と糊で造形するので紙の強度が命であり、このため原料の楮は九州産の粗剛な性質を持つものを使い、ソーダ灰と苛性ソーダを混合して煮ます。乾燥は銀杏(いちょう)板(干板)に張りつけて紙の表面を椿の葉でなで、天日で乾かします。銀杏板、椿の葉を使うのは、紙を硬くし光沢を出すためです。
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