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Q1: クロッキーをするのに必要な材料はなんですか。

A: クロッキーはスケッチと同じ意味のフランス語で、日本では「速写」と訳されることもあります。

おもに人物を写生しますが、短時間で簡素な線で描写します。用具も簡素でよく、鉛筆や木炭と紙があればできます。

手軽さという点では木炭よりも、2Bくらいの柔らかい鉛筆が使いやすいでしょう。消しゴムはプラスチックのものがよく消えます。用紙はクロッキー専用のブックが売られていますからこれを求めるとよいでしょう。

クロッキーに淡く水彩で着色すれば鉛筆淡彩となります。

Q2: 油絵を描くときに下地をつくる必要はありますか。

A: 油彩は生の布や板には描けませんから、下地は本来不可欠のものです。

ただ、下地がすでにほどこされた市販キャンバスの上に、さらに下地が必要になってくるかというと、答えは微妙です。
この場合、すでに下地が存在しているのですから、その上に塗られる塗りは事実上中塗りになってしまいます。すでにほどこされた地塗りがしっかりしたもので、描き心地や発色にもすぐれたものならば、その上にわざわざ下地を重ねる必要はないはずです。発色が悪い、描き心地が良くない、キャンバス目をつぶしたいといった理由で既製の下塗りに不満がある場合か、有色下地をつくって特長ある発色効果を求める場合のみ、あらたに下地の上塗りをする意味があります。

下地の強度はすでに塗られた下地によって決定されているので、その上にまた下地をぬっても補強はされません。下手な下塗りをすれば、かえって地としての強度を低下させる場合もあります。下塗りをすれば必ず効果があがるとか、下塗りは必ずしなければいけない、とするのは誤りです。ジェッソやファンデーション絵具などの市販の下塗り用材を使うときは、下塗りをする目的をはっきりさせたうえでおこなうべきです。

Q3: 暖かい場所で描きたいので、床暖房をつけた部屋で描いてもいいですか。

A: 床暖房は基本的には補助暖房器具で、画面に直接影響をあたえるような温度湿度条件にはならないでしょう。石油などの燃料暖房とちがって、燃焼による水の発生もないので、絵にとってはやさしい暖房ともいえます。寒いのをがまんして描くよりはよっぽどよいと思います。避けなければいけないのはむしろ、急激な室内の温度変化と空気の汚れでしょう。

 床暖房で注意するとすれば、絵具や画用液を床に置かないということくらいです。絵具や画用液が不用意にあたたまりすぎないようにするためです。

Q4: 油絵具の塗り重ねのタイミングですが、絵具が濡れているうちと乾いてからではそれぞれ堅牢性にどのように影響しますか。

A: 絵具が乾く前に、つまり濡れている状態で塗り重ねる技法はウェットインウェットと呼ばれています。これは絵具の層と層に隔絶せずに一体化した構造断面となるため、塗膜形成機構は安定に保たれます。この技法はすばやく行われなければならず、漫然と塗り重ねを続けていると表面と内面の乾燥機構にひずみが生じることになります。

乾いてから塗り重ねるのは、いわばウェットオンドライですが、こちらは画用液の配合や塗り重ねる絵具層の厚さによって、重ねるベストタイミングは変化しますし、堅牢性の程度にも影響してきます。

理論的には塗膜の硬化にともなう塗膜内部対流が収まったうえで、なおかつ、塗膜表面に活性がある時点で塗り重ねるのがベストということになります。対流が中途の段階で別の絵具層におおわれ、上の層の硬化が先に進行してしまうと、ここでまた表面と内面の乾燥機構にひずみができて、シワや亀裂が発生します。いっぽう、硬化がすすんで塗膜表面がワックスのような不活性状態になってしまうと、表面は次に来る絵具の接着を受け入れにくくしてしまいます。

Q5: 「グリザイユ」と「カマイユ」ってなんですか。

A: どちらも単色技法のことをさす言葉です。グリザイユは白黒による無彩単色、カマイユはアンバー、バーントシェンナのような褐色による有彩単色によって描画します。モノクロやセピアの写真のようにモノトーンの画面です。

油画の下層描きにこの技法を応用すると、フォルムと色彩に分業された画面構築をすることができます。つまり、グリザイユやカマイユで光と形、空間を表現し、その後で着彩して色彩を表現します。形象と色彩を一度に表現するのはむずかしいものですが、この技法をつかえば、まず色彩にとらわれずに描きこんだ後に、今度は色に集中して描くことができます。下層のトーンが上層の色彩に微妙な変化をあたえますので、混色をあまりしなくても複雑なニュアンスを出すことができます。「色」の表現に悩んでいる人にはおすすめしたい技法です。

Q6: 乾いた油絵具の上に加筆しようとしたら、絵具がはじかれてしまいます。どうしたらよいでしょうか。

A: 溶き油の乾性油分が過剰なのが原因だと思います。絵具層表面がワックスのようなはじきやすい構造になっているためです。ルツーセを表面に塗ってみてください。乾いた塗膜表面が活性化して絵具をうけつけるようになるでしょう。それでもはじかれるようならば、よほど乾性油分過剰でもはや加筆は不能です。

はじきは、スタンドオイルと揮発性油混合でしかも濃厚な調合の溶き油を使った場合などに、よく起こります。自分で溶き油を調合している場合は、パンドルのような樹脂分を添加するとか、揮発性油にラベンダーオイルを使うと、はじき防止に有効です。また描画段階における画用液の濃度調節をすることも有効です。

Q7: 油彩画面上で絵具をはじかせたいのですが、どうやったらいいですか。

A: テレピンで溶いた油彩の上にアクリルで描いたり、画面にワックスを塗りこんだ後、絵具をのせればはじきます。そのかわり絵具の接着状態は悪く、剥落しやすい画面になります。

可能性があるのが、テンペラの応用です。多めの水で希釈したテンペラ絵具を油彩の上にたらしこむようにすれば、はじかれた水が蒸発した後に残った油性バインダーが接着を保ってくれるでしょう。この場合のテンペラバインダーは卵黄だけのものよりも、全卵と油と樹脂がミックスした混合技法タイプが適しています。油彩−テンペラの混合技法を勉強してください。

Q8: コラージュするときの糊は何を使えばいいですか。

A: 何に何を貼り付けるかでかわってきますが、コラージュは接着する物どうしと接着剤自体がじゅうぶんに耐久性のあることと、接着面にはたらく力のバランスがとれていることが必要です。

たとえば紙に布をコラージュするならば、それほど接着力の強い糊でなくてもかまいませんが、紙に大きな石を貼り付けようとした場合、たとえ強力な接着剤を使っても紙は石の重さに耐えられないでしょう。フッ素樹脂のようなものは接着する糊がありませんし、天然ゴムのようなものは接着しても自然に劣化して長持ちしません。

Q9: 「ミクストメディア」というのは何のことですか。

A: 広義には「総合芸術」と訳されています。絵画技法上のミクストメディアは一作品に異種の技法が用いられることをさします。たとえば版画に手彩色する場合がこれに相当します。

Q10: マチエールをつけるために、絵具にいろいろな材料を混ぜこんでもいいですか。

A: この場合もコラージュのときと同じような注意が必要です。つまり安定していて、絵具に影響をあたえないものを混ぜることです。市販のマチエール材料を使えばだいたい安心ですが、洗っていない海砂などを混ぜると、砂の塩分が吸湿して油絵具の塗膜を劣化させたり、アクリルだと粘度調整剤の機能を低下させる場合もあります。

また、接着剤の役割をするのは絵具そのものです。絵具は顔料の接着に必要な程度のバインダーしか含んでいませんから、マチエール材の混入によって接着剤不足になることもあります。やや多めのマチエール材を混ぜるときは、油彩ならばアルキド樹脂のメディウム、アクリルならばアクリルメディウムを補充して接着力をおぎなってください。

Q11: 一度描いた作品に新しく作品を描く場合、上から絵具をのせてもよいのでしょうか。剥離剤で下の絵をはがして描いたり、ジェッソでかくしてから描いたりしてもいいですか。

A: このような古作品の再利用はキャンバスの再生と呼ばれていますが、安易におこなわれるべきではありません。それはしばしば下地という、絵画にとっての重要要素のメカニズムを無視する行為になるからです。一度描きあがった画面は下地を前提として作られていないため、下地として機能する条件には恵まれていないのがふつうです。なんの前処理も行わずに描き始めることは、描きにくいばかりではなく、絵具の剥離などの障害のもとになりかねませんから、ひかえるべきです。

キャンバスを再生するならば、以前描かれた絵具の層をできるかぎり取り除いてください。それには剥離剤が必要です。剥離剤自体もきれいにふきとっておかなければなりません。それでも古い絵具を完全に取り去ることは不可能ですし、もともとあった下地の塗装も荒れていますから、ジェッソやファンデーション絵具で下地を再塗装しなければいけません。かなりの労力をしいられます。経済的にもあまり効率が得られるものではありませんから、キャンバス再生はおすすめしません。

Q12: 何年も放置してあった油絵を少し描き足そうかと思うのですがだいじょうぶですか。

A: ニスをかけた作品であれば、いったんニスを除去してください。また画面の汚れもきれいにしておいてください。両方ともきれいなペトロールかブラッシクリーナーを溶剤として使います。

「けば」の立たないきれいな布に溶剤をふくませて、円をかくように画面をふきます。布が汚れたらそのたびに布をかえてください。布に絵具がつくようだったら、ふくのをやめてください。

クリーニングが終わったら加筆にはいります。加筆の際の色補正や絵具のつきをよくするための画用液として、ルツーセがあります。ルツーセを古画面に塗るとまもなくして画面の光沢や色調がよみがえったようになりますから、そこに加筆してください。加筆が広い画面であればスプレーのルツーセが便利ですし、部分的ならば液体のものが使いやすいでしょう。

Q13: 乾燥した油彩の画面を途中まで溶かしてもどしたいのですが、良い方法はありませんか。

A: 残念ながらありません。油絵具の硬化乾燥は一方通行で再溶解させることはできません。リムーバーKのような剥離剤で溶かすことはできますが、これを再び固まらせることはできないのです。

描き直す、という前提のもとにならば画面を剥離させることはできます。描いてそれほど時間のたっていない場合なら、テレピンなどの揮発性溶剤でふき取ることができますし、時間がたったものは剥離剤のお世話になります。

Q14: 描いている時に絵具のツヤが引いてカサカサになることがありますが、何故ですか?ツヤを保つにはどのような溶き油を使えば良いですか。

A: 絵具の乾燥過程でツヤが引くという現象があります。原因はいくつか考えられますが、多くは揮発性油の多用にあると思われます。

樹脂類やスタンド油などを効果的に使えば、作品にツヤが保てます。調合油の中にもこうした性質の溶き油があります。ただし、「油分の少ない上に、油分の多い絵具層をのせる」という原則を守らなかったりすると、効果が現れないこともあります。最初は揮発性油で、徐々に樹脂や乾性油を加えて使用して下さい。

Q15: 自分の絵をいろんな人に見せたいのですが、どうすればいいでしょう。

A: 一般的には「絵画展」に自分の作品を展示するのですが、様々な規模の絵画展があるので、自分にあった方法を選びましょう。

まず、ある程度の仲間が集まれば、近くの市民会館や公民館で展示会をするのはどうでしょう。抽選の場合もありますが、大抵無料か低価格で一定期間会場が借りられますから、手軽に多くの人にみてもらうことができます。

さらに多くの幅広い層に見てもらうなら、一人でも参加可能な「公募団体展」や単発の「公募展」があります。この場合審査があり、入選した人のみが、立地のよい整った環境で展示することができます。画材店や美術雑誌などに募集案内が出ますから、自分の作風にあったところ、好きな作家のいる会派などを目安に応募してみるとよいでしょう。

「画廊」の場合、一人でもグループでも展示可能ですが、目的をもった人たちが作品を見に集まってくるので宣伝効果が高いぶん出展料も高めです。「企画展」といって、画廊が主催して作家を集めて展示をすることがあります。この場合、ほとんど金銭面は画廊もちとなりますから、よい作品を描いて、画廊の人の目にとまるようがんばってみてはどうでしょう。

他にも美術館が貸し展示室をもっていたり、喫茶店やホテルが展示スペースを貸している場合があるので、普段から気をつけているとよいでしょう。

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